言の葉の雨が降りしきる

結局のところアイドルが好き

天ヶ瀬冬馬というアイドル

今週のお題が「私のアイドル」だそうで。
結構前からちまちま書いてた文章をいい機会なので載せてみることにしました。

※この記事は現在推敲中です。一時的に載せている状態なのでそのうち書き直します。

私には大好きなアイドルが2人いて、そのうちひとりが三宅さん。もうひとりが天ヶ瀬冬馬だ。
彼については、三宅さんに落ちたときの記事で少しだけ触れていた。
still-honig.hatenablog.jp
(ほっとんど触れてないに等しいので別に見なくても大丈夫です)


そろそろちゃんと書き留めておきたくなったので、出会った経緯から好きなところまでもろもろまとめてみようと思う。

アイドルマスターSideM

通称Мマス。私が今一番好きな作品。(ちょっと前までアニメもやってました)
46名いるアイドルの中で私が担当*1に選んだのが、天ヶ瀬冬馬だった。
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この冬馬くんの話をするより前に、Мマスとの出会いから順を追って話そう。

2016年、4月。
私は何かアプリを入れようと考えていた。それまでゲームの類は一切インストールしていなかったのだけど、Wi-Fiを使えるようになったことで、一個くらいゲーム入れてみてもいいんじゃない? と思ったことがきっかけだった。そうしてGoogle Playストアを眺めていたら、あるアイコンが目に付いた。それがМマス。本当はリズムゲームの類がやりたくて、Мマスはもちろんそうではなかったから、本当は当初の意図と違ったのだけど、ある理由からМマスが気になって仕方なかったのだ。

実はこの、数ヶ月前。詳しい時期は覚えていないのだけど(恐らく2015年末から2016年頭くらい)、Мマスの楽曲を試聴したことがあった。二次元のアイドル、ミュージシャンをまとめたサイトを見て、載っていた試聴動画を片っ端から聞いた。そのうちの一つがМマスだった。

m.youtube.com

試聴動画を見た時の印象は確か、「なんか凄いスタイリッシュだ…!」だった気がする。ジャケ写がキラキラしてて、オシャレだなあと思った記憶がある。楽曲の方はと言うと、「Drive a live」がとりわけ印象に残った。全てのグループで共通して歌われる課題曲。そういうのに弱いオタクだから。かつてハマっていたヘタリアや黒バスなんかもそういうのがあったし(それらはキャラによって歌詞がそれぞれ違うけど)。

結局そのときは動画を見たものの手は出さなかったわけだけど、こうやって再び巡り会ってしまった以上、ぜひМマスに触れてみなくてはという気になった。とりあえずもう1回試聴動画を見てみよう、そうだ、せっかくならニコニコで――と、ひとつひとつ見て回ったわけだ。ここでニコニコを選んだのは大正解だったと思う。何故かって言うと、コメントが流れるから。数あるユニットの一つ、ジュピターの試聴動画を見ていたら、いくつも流れていた言葉に興味を持った。
「5年間の不遇の時代を経て…」
正直うろ覚えなんだけど、多分そんな言葉。
5年間? 不遇? 過去?
ジュピターの歩んだ道をなんにも知らなかった私は、どういうことだろうと疑問に思った。から、調べた。

そして知った。
ジュピターは作中のみならず、現実でも茨の道を歩んだアイドルだったということに。
ジュピターは、Мマスが始まるよりも前、本家アイドルマスターのゲーム(アイドルマスター2)から出ているユニットなのだけど、その初登場で彼らは受け入れてもらえず、前途多難なスタートを切った。
このへんは9.18と調べて頂くのが早いと思うので詳しい説明は割愛するけど、簡単に言えば、他のキャラの出番を差し置いてまで現れた男キャラに、その他の不満やらなんやらが相乗効果として高まってヘイトが集中してしまった、という感じ。
登場したのが2010年。アニメにも出演したり、アルバムを出したりとしたものの、なかなか露出はなく、2014年にSideMとして日の目を見て、2015年に4年ぶりのCD、そしてその年の末、初めて彼らの声優がライブステージに立った。新しい居場所がなかったという意味では4年、現実のステージに立てなかったという意味では5年、彼らには空白があったわけで。

それだけでなく、彼らは作中でもなかなか苦労している。
これもまた、ジュピターと調べてもらえればと思うのだけど。かつて居た961事務所で、その到底清廉とは言えないやり方を知り、反発し、現在の315プロに移るまでの道のり。最近放映されたアニメの内容にのっとれば、移るまでの間にも1年のインディーズ期間がある。順風満帆だったとは言えないだろう。そんな理由ありの過去を背負いながらも今、事務所の後輩の多くに目標とされる存在として、先輩アイドルとして、輝いているのだ。彼らは。アニメのいくつかの描写を見る限りでも彼らが人気アイドルなのに違いはないが、そこで立ち止まることなくさらに上へ、上へと駆け上がろうとする。
そんな彼らの過去を知ってしまって、惹かれないなんてことがあるだろうか。巨大な木星の輝きに、引力に、引き寄せられないなんてことがあるだろうか。いや、ない。(反語)

凄く乱暴な言い方をすれば、私がジュピターに惹かれたのは、彼らの過去に魅せられたからだと言える。
……なんて、そんなことを言ってしまったら、彼らの不遇を想いながらも応援し続けた当時のプロデューサーたちに対して失礼かもしれない。過去をさも美談のように語るのはあまり褒められる所業じゃない。当時を知らない私なんかがそれをするのはもってのほかだ。だとしても、それでも、過去から彼らの今を知ったのに違いはないのだから。必死にジュピターを応援し続けたプロデューサーたちへの敬意も込めて、私は過去を背負い今輝くジュピターが好きだ、と言いたい。


そんなこんなで好きになったジュピター。
天ヶ瀬冬馬伊集院北斗御手洗翔太
3人まとめて大好きなのだけど、中でも私は天ヶ瀬冬馬の担当である。ジュピターを好きになったのは前述の通りとして、じゃあなんで中でも冬馬だったのかって言うと、多分、私の元々のキャラクターの好みのせいかなあと思う。私は昔から、主人公気質のキャラクターを好きになりやすい。歴代好きなキャラが松風天馬(イナズマイレブンgo)、黒子テツヤ(黒子のバスケ)、苗木誠(ダンガンロンパ)と、主人公勢揃いなところからも伺えると思う。(ちなみにさっきちらっと名前を出したヘタリアに関しては日本が推しなのでちょっと法則からは外れる)
とにもかくにも試聴動画を見たとき、ジャケ写の真ん中に立つ、見た目から何から主人公オーラビシバシな冬馬を見て、私は瞬時に確信した。

「あ、私、このキャラ好きになる」と。

性格も何も知らないのにそこまで思えた自分が今でもびっくりだ。多分、若干一目惚れも入っていた。(ちなみに天ヶ瀬冬馬の好きなところは?と聞かれたら真っ先に“顔”と言ってしまいそうなくらい、彼の顔が好きだ。今までの傾向から考えると好みの顔というわけではないはずなので不思議なのだが。)

試聴動画を見たあと、前述の通り色々調べたわけだが、そこで詳しいキャラクターを知って気持ちが変わる――わけもなく。むしろさらに好きになった。ぶっきらぼうで口が悪いわりに、クリームソーダが好きだとか。女の子と話すのが苦手だとか。さらに私の心に刺さったのが、ファンへの思いの強さ。プロ意識の高さ。それらは、ゲームを実際に始めてみたことでさらに実感することとなる。

ここで、個人的に響いた彼の言葉を集めてみる。ゲーム、アニメ、どちらからも。

仕事にデカイも小さいもねえ!
どんだけキツくても俺たちを待ってるファンがいるなら 這ってでもそこにいくのがアイドルってもんだろ!!
(ゲーム内雑誌)

俺たちは夢を届けるアイドルだからな
(ゲーム内雑誌)

Jupiterはみんなに笑顔と夢を届けるアイドルなんだ…って再確認したぜ
(ゲーム内雑誌)

今日のステージはファンのための場所だ。そういう話をするヤツは帰ってくれ。
(エムステ)

俺は…ファンにあんな顔をさせたくてやってきたんじゃない…
(Episode of Jupiter)

ありがとな! でも泣いてちゃ俺のステージがよく見えないぜ!
(ゲーム内雑誌)


これだけでも、彼の中のアイドル像だとか、ファンへの想いなんかが見えてくると思う。
共通して根底にあるのが、“アイドルは夢を届けるもの”だという認識。そして、“ファンを笑顔にすること”こそ、アイドルの仕事だという強い意識。

冬馬は、ファンに甘い言葉を囁くような所謂王子様系ではない。それはどっちかというと北斗のほうが近いし。“ファンの恋人”として振る舞うことでファンに夢を見せるタイプではなくて、かと言って、ファンが求めているものを的確に掴み、落とし込んでくる計算的なタイプでもない。
ここでジャニオタ的な話をすると、前者は手越くんや中島健人くん、後者は健くんあたりが当てはまると思っている。(健くんはまだしも手越くん健人くんは茶の間から見た判断なので全然違ったら申し訳ない。)
なんでここでジャニオタを突然覗かせたかと言うと、最近まで私は“アイドルの天才”とは上記二つのような属性のひとたちを言うと思っていたのだ。その考えの元で、後者に当てはまる健くんの、ファンの恋人スタンスではないにも関わらず完璧につくりあげられているアイドル性というものを自分なりに考察していて。そんな中、彼らと冬馬のアイドル性の違いに行き当たった。
冬馬の担当Pになり、冬馬のアイドル像を探っていく中で、彼もまた上記二つとは別の意味で“アイドルの天才”なのだと実感したわけだ。

“アイドルの擬人化”という風に彼が表現されているのを見たことがあった。それが、ものすごく腑に落ちた。
冬馬は、求められた“アイドルの姿”をつくりあげて提供するアイドルではなく、自然体に真っ直ぐにありのままに動くことでそれがすなわち彼の“アイドルとしての姿”となるタイプだと私は思っている。…うまく言えないのがもどかしい。養殖じゃなくて天然もののアイドルというか。まさにアイドルの擬人化なのだ。

先ほどあげたセリフにおいて言うと、彼は「夢を届ける」のがアイドルだと表現している。「夢を見せる」のではなく、「夢を届ける」なんだな、とふと思った。いや、彼のセリフを全てしっかり確認したわけではないので「見せる」って普通に言ってるかもしれないけど、それはそれとして妄想するだけならタダということで。
なんだろう、「見せる」と「届ける」じゃ結構違うと思うのだ。見せられた夢は、いつか覚めてしまう。アイドルを見ているときこそ夢見てる瞬間で、ステージ上がドリームかつデイドリーム。夢が覚めるのが死ぬより怖い我々ファンは、永遠に夢見ていられるようにアイドルを追い続けるのだろう。
そんな「見せる」夢が映画館や劇場で観るストーリーなら、「届ける」夢はリボンでラッピングされたプレゼントボックスのようなイメージ。ストーリーは劇場から出て帰ってきたら徐々に記憶から消えていく。でもプレゼントなら、受け取ってから、開いて、中身を見て、それからずっと大切に手元に残しておける。
ステージを見ている間以外も、アイドルを見ていられない間も、他でもないアイドル自身が届けてくれた夢がファンのそばで寄り添っていてくれる。そしてそれはいずれ、ファン自身が持つべき“夢”に重なって、明日へ一歩踏み出す力になってくれるのかな、なんて。

実際に、上に挙げたセリフの二つ目と三つ目、「俺たちは夢を届けるアイドル」発言はそういう信念から来るものだと感じて止まない。“アイドルになりたいという夢”を持ちながらも自信が持てない少年と出会った冬馬が、

歌もダンスもレッスンすればするだけ上手くなる
泣いてる暇なんかねーぞ!

お前が諦めない限り 夢は必ず叶うぜ

そう言って勇気づける。その有様を見た仲間(イベントを共にしていた握野英雄さん)に「流石」だと言われ、返す言葉が、「俺たちは夢を届けるアイドルだから」なのだ。
なれやしないなんて夢のないことは絶対に言わない。かと言って、なあなあに済ませたり、根拠なく大丈夫なんて言いもしない。ただ、「レッスンあるのみ」「諦めないこと」そう言って、少年が夢を描き続ける後押しをする。きっと少年は、「もっと頑張らなくちゃ!」と気持ちを高揚させたに違いない。
それこそまさに、彼にとって「夢を届けること」なのではないだろうか。ファン(少年も実際にジュピターファンだった)の夢を後押しし、叱咤激励をする。直接的にでなくても、冬馬が全力でアイドルとして輝くことで、ファンにとっての夢も輝くのだろう。きっとそれは、少年のように“アイドルになりたい”という夢でなくとも。どんな夢でも。


本当にびっくりするくらい、私の中の理想のアイドル像みたいなものと、冬馬が体言しているアイドル像が合致した。なんていうか、“アイドル”という概念への解釈違いが起こらないみたいな。
アイドルという仕事に誇りを持っているアイドルが好きなのだ。そしてやっぱり、ファンへの想いを隠さないアイドルが好きだ。ぶっきらぼうだし素直じゃないところがあるけれど、ファンへの感謝や愛はあまりにも素直に伝える。飾らない真っ直ぐな言葉で。そういうところが、本当に好きだ。冬馬は絶対にファンを悲しませるようなことはしない。そう確信できてしまうくらい、アイドルとして完成しすぎている。
さっき、冬馬の好きなところを「顔」と言ったけれど、もちろんそれも事実なのだけど、1番好きなところと言えばやはり、ここまで長々と述べてしまったアイドルとしてのスタンス、ファンへの想い、それら全部ひっくるめた「プロ意識」なのだなあ、と実感した。


途中から、SideMにハマった経緯というよりただの考察大会になってしまった。

なんやかんやあって好きになった、SideMと、天ヶ瀬冬馬というアイドル。知れば知るほど魅力が増す、色んな表情が見えてくる冬馬は、あまりにも魅力的なアイドルなので。少しでも、少しでもその魅力が伝わったらいいなぁ。と思うものの、妄想100%なこの記事ではちょっと難しいかもしれない。もしこんな拙文でも興味を持ってくださった方がいらっしゃったら、ぜひアイドルマスターSideMおよびジュピターそして冬馬に触れてみてほしいな、と思う。

冬馬のアイドル性について、まだまだ考察し足りないどころか、まだ見てないストーリー、雑誌等々色々あるので、もう少しちゃんと煮詰めてからまたあげ直したいなと思う。冬馬のアイドル性についての文章はもう少し膨らみそうなので、担当になった話とはまた別に分けて記事にするかも。それまで、しばらくの間この拙文を置いておきます。
ここまで閲覧ありがとうございました。

*1:アイマス界隈では推しよりもこの言葉を使う。プレイヤーがアイドルをプロデュースするプロデューサーだという認識に基づいてのこと