言の葉の雨が降りしきる

結局のところアイドルが好き

SixTONESに似合う雨の言葉 〜Imitation Rainに捧ぐ〜

SixTONESのデビューシングル、「Imitation Rain」の発売、ついに明日ですね。
デビュー曲初披露のベストアーティストを正座で待機したあの日がもはや懐かしい。初めて聴いたあのときは意外性にびっくりしましたが、今となってはSixTONESのデビュー曲はImitation Rainしか考えられない。Imitation Rainなしに生きられない。恐るべし、Imitation Rain…………

Imitation Rainという楽曲そのものへの感想や考察は、CDを手に入れてフルで聴いてからにしようかなぁと今は思っています。が、発売目前の今、なにかをImitation Rainに捧げたい……最高のデビュー曲、Imitation Rainに、そしてSixTONESに、贈り物をしたい……。そう、言葉の贈り物を!!!!!!(クソデカボイス)

というわけで、
「Imitation Rainに捧ぐ! SixTONESに似合う雨をあらわす言葉選手権!!!!!!」
を個人開催します!!!!!!


◇◆◇


日本には雨をあらわす言葉が、ものすごくたくさんあります。400語以上あるって言う人もいれば1000語以上あるって言う人もいます。結局何個なんだ。(わからない)
本当はこの記事を書くにあたりちゃんとした文献を用意しようかと思ったのですが、時間が無いのでインターネットの力を借りました。すみません。私は日本語のプロでもなければ日本語研究をしているわけでもなく、ただただ雨の言葉を調べるのが好きなだけの人間なので、気軽〜に読んでもらえたら嬉しいです。


◆Imitation Rainってどんな雨?

SixTONESの6人に合う雨の言葉を選ぶ前に、そもそも、Imitation Rainってどんな雨なんだろう、と。こればかりは歌詞の全てを読まないと何とも言えませんが、和訳して「にせものの雨」「雨の模造品」と捉えたとき、まず最初に「涙」だろうか、と思いました。やっぱり。でも多分、一義的なものではないのだと思います。
「時には激しく心に降りそそぐ」にせものの雨。それは涙というか、もっと抽象的で、激情のようなものなのかもしれない。言葉にできない感情の波というか……。

歌詞を捉えるとそんな感じに思うんですが、MVを見たときの私は一番に「天泣(てんきゅう)」を思い浮かべました。
MVのサビ部分(上記のMVだと0:50くらい)。空は青く、晴れているように見えるのに、きらきらと光の糸のように雨が降りそそいでいます。「天泣」とは、いわゆるお天気雨のことです。晴れているのに降る雨のこと。曇った暗い空から降る雨とは違って、光に照らされてやわらかく見える(と私は勝手に思っています)。
天が泣いているという発想、美しいですよね。私はすごく好きです。Imitation Rainが奏でる神秘的な雰囲気にも似合うんじゃないかなぁなんて思ったりします。


SixTONESに似合う雨の言葉
ということで本題に入ります! 前置きが長い!(申し訳ない……)
公式サイトなどでの並び順に書いていこうと思います。今更ですが、完全に独断と偏見で選んでいます。解釈違いがあってもご容赦ください。何かにつけて「合う……」「ぴったり……」「これだ……」と呻きますがいや全然違くない!? と思っても広い心で許してください。


ジェシー
「慈雨(じう)」
ジェシーくんは絶対に恵みの雨をあらわす言葉だ! と決めてました。慈雨は「万物を潤し育てる雨」だそう。ぴ、ぴったりだ…………。日照りが続いたときに降り、私たちを助けてくれる、まさに恵みの雨。
ざあざあと降りしきる雨というよりはしとしとと降りそそぐ優しい雨、が似合うような気がします。それは彼の優しく耳心地のよい歌声だったり、SixTONESの精神的支柱とも言えるようなあの頼もしさだったりから感じることなんですが。
でもやっぱり力強い雨も選びたい。悩ましい……。雷鳴を意味する「神立(かんだち)」とかも良くないですか? どうですか?(どうですか? とは)


京本大我
「紅雨(こうう)」
花に降りそそぐ雨のことです。赤い花が散る様子を雨に例える意味もあったり。
京本くんには花が似合うなぁと思うので、このセレクトになりました。私が「JAPONICA STYLE」のMVの紅をひくシーンが大好きだからというのもあるかもしれない。彼の高く、華やかな歌声は、赤い花びらが舞うような美しさと力強さがあるなと思います。Imitation Rainの転調ソロ(戻れない〜のところ)なんてまさに力強さと華やかさの権化! って感じがします。聞くたびに震えてしまう……。「花の雨」「花時雨」なんかも良いな、と思ったんですが、「紅雨」の字面や音の響きに芯の通った強さを勝手に感じたのでこちらにしました。


松村北斗
「月時雨(つきしぐれ)」
「篠突く雨(しのつくあめ)」
絞れませんでした!!!!!!
私は北斗担なので、どうしても……どうしても選びきれませんでした…………特例で二つあげさせていただきます。許してください。
月時雨は月の出ている時に降る時雨のことです。ちなみに時雨は秋から冬くらいに降る通り雨のことらしいです。北斗くんは夜、そして月がとてつもなく似合うと思うんですよね…………。月時雨、なんてもう……冬に月に雨、これはもう文学では? まさに文学アイドルにふさわしいのでは? みたいな…………(文学を1ミリもわかっていない人間が書いています)
篠突く雨は激しく降りしきる雨のことを言います。篠というのは篠竹のことで、細く群がって生えている竹を意味します。そんな竹を突き立てるように細く、激しく降る雨が篠突く雨なんだそうで。北斗くんのパフォーマンスって舞台の上のお芝居のような、感情的な面があるなと個人的に思っていて。特にImitation Rainで曲中に移動するときの激情的な感じがすごく好きなんです。
歌声のたおやかな感じは月時雨で、ダンスや表現の力強い感じは篠突く雨かなぁ、というセレクトです。


〜髙地優吾〜
「白雨(はくう)」
髙地くんは1番悩びました! 難しかった……!
白雨は明るい空から降るにわか雨のこと。夕立のことでもあります。個人的に、髙地くんはにわか雨っぽいなぁと思って。どうしてそう思うかを説明するのは難しいんですけど……晴れの合間に突然サッと降り、すぐさまやむあの感じというか。髙地くんのにこにこアイドルスマイルが大好きなので、髙地くんは雨より晴れ! とすら思ってしまうんですが、パフォーマンスの中でふとした瞬間に見せる憂いげな表情、あるじゃないですか。RAM-PAM-PAMとかで見られるあの感じ……あのミステリアスな雰囲気、白雨が似合うなぁと思います。「明るい空から降る」という前提もなんだか髙地くんっぽいんですよね。


森本慎太郎
「翠雨(すいう)」
青葉に降りそそぐ雨のこと。これも恵みの雨ですね。ムードメーカーな慎太郎くんが時おりメンバーに向ける優しい表情が好きで、翠雨が似合うなぁ〜〜〜と思いました。歌声の甘やかさからもイメージしています。
この翠雨という言葉、とても好きなんです。綺麗ですよね。響きが優しいのはもちろん、とにかく字面が美しいなぁと思います。翠という字の爽やかでありながら奥深い感じ(個人の見解)、慎太郎くんにとても似合う…………。
村雨」とかも似合うなぁ。慎太郎くんのダイナミックなダンスが好きなので力強い言葉も選びたい……悩ましいですね…………。


〜田中樹〜
氷雨(ひさめ)」
雪に変わる前の、氷のように冷たい雨のこと。樹くんも優しい雨が似合うよな、とは思ったんですが(というかSixTONESはみんな恵みの雨がぴったりなんですが)、あえて冬の冷たい雨を選びました。樹くんのパフォーマンスって、すごくクールで、知的じゃないですか。Imitation Rainのラップパートなんて特にそうなんですが、あのときに不意に見せる射抜くような瞳が最高に好きで…………。普段の頭の回転の早さやリリックのクレバーさも相まって、「氷」が似合う!! と第一に思いました。氷雨、と文字で見ると冷ややかですらありますが、「ひさめ」という音の響きはむしろ優しくて、柔らかいんですよね。穏やかさの中にも明確に知性が垣間見れる感じ。ぴったりだな…………。


◇◆◇


ということで6つ(よりも多くなりましたが)セレクトさせていただきました! 半数くらいはポーンと決まったんですが残り半数はめちゃくちゃ悩んでしまい、本当は発売5日前くらいに載せたかったのに前日になってしまいました。もう明日にはCD手に入るんですね(早い方はもう手に入ってるのかもしれない)。なんだか変な感じがします。
アイドルを応援するのは初めてではないですが、デビュー前から応援するというのは初めての経験で、なんだかどきどきします。明日はZIPで朝から歌披露ですし、金曜にはMステもありますね。毎日何かしら生きがいを与えてもらっていて、オタクって楽しいなぁと実感する日々です。SixTONESを応援するの、楽しい!

松村北斗くんに惹かれた日の話

 


松村北斗くんを知ってから、ちょうど3ヶ月経った。

忘れもしない7月24日、FNS歌謡祭。私は恐らくそのとき初めて、SixTONESというグループのパフォーマンスを浴びた。名前だけは知っていた。この綴りでストーンズと読むことも知っていた。KAT-TUNリスペクト系らしい、という具体的なんだか抽象的なんだかよくわからない情報も持っていた。そのときの私はつけっぱなしのテレビをただぼんやり眺めているだけで、意欲的にSixTONESを知ろうという気持ちはなかった。だから、ああ、すごいな、かっこいいなと思うだけだった。
黒を基調とした衣装はシックで、シルエットが美しくて。夜桜を思わせるようなライトアップは雅だ。花びらがひらひら舞っていて綺麗。楽曲はどこかで聞いたことがあるような気がする。こういう曲すきだなあ。歌が上手い、ダンスもかっこいい。SixTONES、こんな感じなんだあ。
多分そんな感じ。Twitterのタイムラインでたびたび見かけるSixTONESのこと、ちょっと見ておこう、くらいの気持ちだったから、ハマるつもりはなかった。なかったのだ、本当は。

パフォーマンスを見終えた後、何の気なしにTwitterを開いた。トレンド上位にあがっていたSixTONESの文字に、思わず指をすべらせた。ファンというのは本当に素晴らしい広告塔だと思う。ここで新規を獲得しない手はないと言わんばかりにダイレクトマーケティングが溢れていた。今出演していた彼らはそれぞれ誰で、どういう人で……という懇切丁寧な紹介文が流れていたら、そんなの、見てしまうに決まってる。数あるダイマのなかで、私を射止めたのはある一文だった。


「理想のデートは人形浄瑠璃を見た後心中」


この一文を読んだ時、私は雷に打たれたような心地がした。心中、心中……心中が理想……? アイドルが……!?

色々な誤解を恐れずに言うと、私は“心中”という事象が好きだ。というか、関心がある。
人は独りで生まれ、そして独りで死んでいく。本質的に孤独な生き物だと思う。だからこそ、死を愛する人と分かちたい。死がふたりを分かつまでなんて言わずに、死そのものをふたりで分け合いたい。その愛のかたちは美しくもあり、いびつでもある。生きることではなく死ぬことを愛の究極として選ぶのはどこか投げやりなほの暗さがあって、現実で考えるとやっぱり痛ましいのだけど、そういうところもひっくるめて蠱惑的だと思う。
そういうわけだから、この一文には惹かれるものがあった。きょうび心中が好きだなんて言うオタクは山ほどいると思うけれど、まさかアイドルが理想として言葉にするなんて。

彼の名は、松村北斗さんと言うらしい。
一度気になってしまったら。一度名前を覚えてしまったら。調べずにはいられないのがオタクの性だ。
まず、Twitterで「松村北斗 心中」と検索をした。物凄く欲にまみれているけれど見逃して欲しい。
そうしたら、先程のJAPONICA STYLEで披露していた振りが話題になっていた。何も考えずぼんやり見てしまったので改めて見返す。言われていたのは冒頭のソロパートの振り。

彼は右手に持った扇子を自らの首に突きつけ、斬首するように横に振った。と同時に、緩めたもう片方の手から桜の花びらがぶわりと吹き出した。

つまり、扇子で首を斬り、桜の血しぶきが噴く振り付け。
私は何度も何度もその振りを繰り返し見てしまった。繰り返し見たのち、呟いた。
文学じゃん……。
文学全然知らんけど、これはもう絶対近現代文学じゃん…………。
心中ときてこれだ。松村北斗さんは文学アイドルに違いない。もうこの時点で調べるところまで調べつくそうと決意した。(文学アイドルって何?)

容姿をしっかり見たくてGoogle画像検索もしたのだけど、好みの顔……と呟かざるを得なかった。着物が似合いそうな雅な顔立ちだ。私は塩顔と呼ばれるような顔が結構好きなので、しばらくまじまじと眺めてしまった。
その勢いのままに、今度はYouTubeを見に行った。ジャニーズでありながらYouTubeを解禁し動画をアップしているということはうっすら知っていたのだけど、まだJrなのにMVがあるのは驚いた。

 

 

ついさっきまで見ていたFNSではさらっと聞いてしまったけれど、改めて聞くとめちゃくちゃ良い曲だ。和の曲でありながらスタイリッシュな感じもあって、サビがとても耳に残る。水槽の水を弄ぶ北斗くんのアンニュイな雰囲気がすごく良い。(のちにこの演出は自己プロデュースと知って心底驚いた)
良い感じにエンジンがかかってきたので、再生回数が多い順に見ていくことにした。これが正しかったのかわからない。たぶん正しかったんだと思う。

 

 

 
もう、何も言わずに再生してほしい。
開始15秒で変な声が出た。
えっ、今の、今のが北斗くんだよね? 北斗くんで合ってるよね? と脳内で騒ぎ立ててしまった。
画像検索でも、JAPONICA STYLEでも、かっこいい顔だなぁと思ったし、好きな顔だなと思った。けれど、15秒に出てくる北斗くんを見た途端、それまでのあらゆる感情が吹っ飛んだ。無情にも、吹っ飛んだ私を置き去りにして動画は進む。

そして40秒。

「頬を撫でる湿気を帯びた風」だ。

あの風がすうっと通り抜けたあの瞬間、私はもうだめだった。
柔らかくて、繊細で、そして色気を滲ませた声が耳の中で溶けて消えた。ワンフレーズ歌い終えた彼は視線を落とし、目を伏せた。口元にはわずかに笑み。

あらゆる感情、語彙が吹っ飛んでいた私の元に、ひとつだけ言葉が落ちてきた。

美しい。

彼は、美しい男だ。
ただ顔の造形が美しいというだけではなくて、視線の向け方、眉の動かし方。表情全てが美しかった。

松村北斗は美しい。
動画2つ目にしてこの世の真理に辿り着いてしまった私は、それから狂ったように動画を見漁った。
優しいフォロワーから「北斗くんが気になるなら初期から順に見ていくといいですよ」というアドバイスを頂いたのもあり、古いものから見ていったのだけど、なるほど確かに、納得した。
文学青年っぽい! というファーストインプレッション通り、初期の動画は良い意味で孤独が滲んでいる感じがあって、陽か陰なら陰寄りだと思った。とはいえ、もちろんそれが全てではなかった。クール系かと思いきや結構お茶目でボケたがり。メンバーとふざけあって笑っているところは休み時間の男子高校生みたい。ボケるだけでなくツッコミもできちゃう。発言の一つ一つにキレがあって、頭の回転が早いのがよくわかった。本人が纏っている冴えた空気も相まって、グループをキュッと引き締める力があるような気がした。黒い服を着たら一気にコーディネートが纏まるあの感じに似ている。メンバーカラーも黒だし。
そんな北斗くんも、回を追うごとに雰囲気が柔らかくなっていった。どんどん口数が増えていって、不思議な発言をしたり、それをスルーされたり、ふわふわしてたり、メンバーにちょっと変な絡み方してたり。物凄く変わった、別人になった、とは言わないけど、陰寄りだったのが陽に近づいていった感じがあって、フォロワーが順番に見ていくのが良いと言った理由がよく分かった。確かにこれは、この変化を見ていく面白さがある。
別人だとは思わないから、どちらの方が良い、というのも特に思わない。裏表があるだとかキャラがいくつもあるというよりは、色々な要素が上手く同居している人なんだなあと思った。陽の部分と陰の部分、柔らかい雰囲気と冴えた雰囲気が決して喧嘩することなく上手く溶け合っているのは、むしろ人間らしいと思う。

他にも、ダンスはダイナミックに緩急つけて踊るタイプだったり、ファッションが好きでお洒落さんだったり、料理するときの手際が良かったり。意外とビビりで大きい音に人一倍リアクションしてたり。雰囲気が変わったとは言ってもガードが固いのは相変わらずで、ホテルではしっかりドアガードしてたり。見れば見るほど新しい発見があって、知れば知るほど好きになった。

不思議な感覚だった。新しい側面を知るたびにギャップを感じて、けれど妙な納得感もあって、当たり前のように好きな気持ちが増幅する。本当に、不思議な体験だった。


ここまでは彼の内面について取り上げた。人間らしい、とあえて表現したけれど、ことパフォーマンスとなるとまた違った表現をしなくてはならない。

彼のパフォーマンスは見られる限りたくさん見た。公式チャンネルに投稿されているコンサート映像や、少年倶楽部でのパフォーマンス。動画に限らず、雑誌の写真なんかも。

なんて言ったらいいのだろう。

色気のある歌声。感情の込め方。溶けるように混じる吐息のあでやかさ。
指の先まで意識された立ち居振る舞い。
とめ、はね、はらい、という感じの、力を溜めて溜めてふっと流すような踊り方。
曲ごとに、写真ごとにがらりと変わる表情。
例えば、にっと口角を上げた余裕のある笑み。こちらを煽るように挑戦的な眼光。かと思えば、想いを絞り出すように苦しげに寄せられた眉。ここではないどこかに視線を逸らす、憂いを帯びた瞳。

全てが、まるでこの世のものではないように思えた。違う世界にいる、なんていう表現はアイドルに向けるには当たり前すぎるけれど、やっぱりそう表現するしかない。
きっと、北斗くんのパフォーマンスはひとつの作品だ。その視線、表情、歌、踊り、全てが物語を作っていて、そして世界を生み出している。大袈裟かもしれないけど私はそう思った。自分の魅せ方を知っている、というのだろうか。先に述べた扇子遣いや水槽の演出なんかでもそれは現れていると思う。何を武器にし、何を魅せるか。何を求められていて、そして自分は何を見せたいか。

自分の魅力や、何が求められているかをわかっていて、それを体現してくれるアイドルが好きだ。それはたぶん、昔からずっとそう。だからきっと、北斗くんを好きになったのは必然だったのかもしれない。なんて、今だから思う。好きになった当初は自分にびっくりしていて、こういうタイプの人も好きになるのか、と他人事のように思っていた。こうやって文章にしてみるとなるほど好きになるはずだなぁと腑に落ちるから不思議だ。





私は誰かを好きになったときの思い出を書き残すのが好きだ。出会ったときの感動や、好きな人の好きなところを言葉にすることで、いっそうこの気持ちがあざやかになるから。いつかまた読み返して、こんなこと書いてたっけと面映ゆくなるのもまた醍醐味かなと思う。
そういうわけだから色々綴ってみたけれど、北斗くん、そしてSixTONESに出会ってから今まで、たったの3ヶ月しか経っていない。けれど、その3ヶ月はなかなか濃い3ヶ月だった。デビュー発表の瞬間を生配信で見られたこともそのひとつで、本当に幸運だったなあと思う。
デビューが決まってなおいっそう磨きがかかっているSixTONESを見れば見るほど、きっとこれから、もっともっと高いところへ羽ばたいていくんだろうなあと確信できる。それがすごく楽しみで、幸せだ。

 

 

天ヶ瀬冬馬というアイドル

今週のお題が「私のアイドル」だそうで。
結構前からちまちま書いてた文章をいい機会なので載せてみることにしました。

※この記事は現在推敲中です。一時的に載せている状態なのでそのうち書き直します。

私には大好きなアイドルが2人いて、そのうちひとりが三宅さん。もうひとりが天ヶ瀬冬馬だ。
彼については、三宅さんに落ちたときの記事で少しだけ触れていた。
still-honig.hatenablog.jp
(ほっとんど触れてないに等しいので別に見なくても大丈夫です)


そろそろちゃんと書き留めておきたくなったので、出会った経緯から好きなところまでもろもろまとめてみようと思う。

アイドルマスターSideM

通称Мマス。私が今一番好きな作品。(ちょっと前までアニメもやってました)
46名いるアイドルの中で私が担当*1に選んだのが、天ヶ瀬冬馬だった。
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この冬馬くんの話をするより前に、Мマスとの出会いから順を追って話そう。

2016年、4月。
私は何かアプリを入れようと考えていた。それまでゲームの類は一切インストールしていなかったのだけど、Wi-Fiを使えるようになったことで、一個くらいゲーム入れてみてもいいんじゃない? と思ったことがきっかけだった。そうしてGoogle Playストアを眺めていたら、あるアイコンが目に付いた。それがМマス。本当はリズムゲームの類がやりたくて、Мマスはもちろんそうではなかったから、本当は当初の意図と違ったのだけど、ある理由からМマスが気になって仕方なかったのだ。

実はこの、数ヶ月前。詳しい時期は覚えていないのだけど(恐らく2015年末から2016年頭くらい)、Мマスの楽曲を試聴したことがあった。二次元のアイドル、ミュージシャンをまとめたサイトを見て、載っていた試聴動画を片っ端から聞いた。そのうちの一つがМマスだった。

m.youtube.com

試聴動画を見た時の印象は確か、「なんか凄いスタイリッシュだ…!」だった気がする。ジャケ写がキラキラしてて、オシャレだなあと思った記憶がある。楽曲の方はと言うと、「Drive a live」がとりわけ印象に残った。全てのグループで共通して歌われる課題曲。そういうのに弱いオタクだから。かつてハマっていたヘタリアや黒バスなんかもそういうのがあったし(それらはキャラによって歌詞がそれぞれ違うけど)。

結局そのときは動画を見たものの手は出さなかったわけだけど、こうやって再び巡り会ってしまった以上、ぜひМマスに触れてみなくてはという気になった。とりあえずもう1回試聴動画を見てみよう、そうだ、せっかくならニコニコで――と、ひとつひとつ見て回ったわけだ。ここでニコニコを選んだのは大正解だったと思う。何故かって言うと、コメントが流れるから。数あるユニットの一つ、ジュピターの試聴動画を見ていたら、いくつも流れていた言葉に興味を持った。
「5年間の不遇の時代を経て…」
正直うろ覚えなんだけど、多分そんな言葉。
5年間? 不遇? 過去?
ジュピターの歩んだ道をなんにも知らなかった私は、どういうことだろうと疑問に思った。から、調べた。

そして知った。
ジュピターは作中のみならず、現実でも茨の道を歩んだアイドルだったということに。
ジュピターは、Мマスが始まるよりも前、本家アイドルマスターのゲーム(アイドルマスター2)から出ているユニットなのだけど、その初登場で彼らは受け入れてもらえず、前途多難なスタートを切った。
このへんは9.18と調べて頂くのが早いと思うので詳しい説明は割愛するけど、簡単に言えば、他のキャラの出番を差し置いてまで現れた男キャラに、その他の不満やらなんやらが相乗効果として高まってヘイトが集中してしまった、という感じ。
登場したのが2010年。アニメにも出演したり、アルバムを出したりとしたものの、なかなか露出はなく、2014年にSideMとして日の目を見て、2015年に4年ぶりのCD、そしてその年の末、初めて彼らの声優がライブステージに立った。新しい居場所がなかったという意味では4年、現実のステージに立てなかったという意味では5年、彼らには空白があったわけで。

それだけでなく、彼らは作中でもなかなか苦労している。
これもまた、ジュピターと調べてもらえればと思うのだけど。かつて居た961事務所で、その到底清廉とは言えないやり方を知り、反発し、現在の315プロに移るまでの道のり。最近放映されたアニメの内容にのっとれば、移るまでの間にも1年のインディーズ期間がある。順風満帆だったとは言えないだろう。そんな理由ありの過去を背負いながらも今、事務所の後輩の多くに目標とされる存在として、先輩アイドルとして、輝いているのだ。彼らは。アニメのいくつかの描写を見る限りでも彼らが人気アイドルなのに違いはないが、そこで立ち止まることなくさらに上へ、上へと駆け上がろうとする。
そんな彼らの過去を知ってしまって、惹かれないなんてことがあるだろうか。巨大な木星の輝きに、引力に、引き寄せられないなんてことがあるだろうか。いや、ない。(反語)

凄く乱暴な言い方をすれば、私がジュピターに惹かれたのは、彼らの過去に魅せられたからだと言える。
……なんて、そんなことを言ってしまったら、彼らの不遇を想いながらも応援し続けた当時のプロデューサーたちに対して失礼かもしれない。過去をさも美談のように語るのはあまり褒められる所業じゃない。当時を知らない私なんかがそれをするのはもってのほかだ。だとしても、それでも、過去から彼らの今を知ったのに違いはないのだから。必死にジュピターを応援し続けたプロデューサーたちへの敬意も込めて、私は過去を背負い今輝くジュピターが好きだ、と言いたい。


そんなこんなで好きになったジュピター。
天ヶ瀬冬馬伊集院北斗御手洗翔太
3人まとめて大好きなのだけど、中でも私は天ヶ瀬冬馬の担当である。ジュピターを好きになったのは前述の通りとして、じゃあなんで中でも冬馬だったのかって言うと、多分、私の元々のキャラクターの好みのせいかなあと思う。私は昔から、主人公気質のキャラクターを好きになりやすい。歴代好きなキャラが松風天馬(イナズマイレブンgo)、黒子テツヤ(黒子のバスケ)、苗木誠(ダンガンロンパ)と、主人公勢揃いなところからも伺えると思う。(ちなみにさっきちらっと名前を出したヘタリアに関しては日本が推しなのでちょっと法則からは外れる)
とにもかくにも試聴動画を見たとき、ジャケ写の真ん中に立つ、見た目から何から主人公オーラビシバシな冬馬を見て、私は瞬時に確信した。

「あ、私、このキャラ好きになる」と。

性格も何も知らないのにそこまで思えた自分が今でもびっくりだ。多分、若干一目惚れも入っていた。(ちなみに天ヶ瀬冬馬の好きなところは?と聞かれたら真っ先に“顔”と言ってしまいそうなくらい、彼の顔が好きだ。今までの傾向から考えると好みの顔というわけではないはずなので不思議なのだが。)

試聴動画を見たあと、前述の通り色々調べたわけだが、そこで詳しいキャラクターを知って気持ちが変わる――わけもなく。むしろさらに好きになった。ぶっきらぼうで口が悪いわりに、クリームソーダが好きだとか。女の子と話すのが苦手だとか。さらに私の心に刺さったのが、ファンへの思いの強さ。プロ意識の高さ。それらは、ゲームを実際に始めてみたことでさらに実感することとなる。

ここで、個人的に響いた彼の言葉を集めてみる。ゲーム、アニメ、どちらからも。

仕事にデカイも小さいもねえ!
どんだけキツくても俺たちを待ってるファンがいるなら 這ってでもそこにいくのがアイドルってもんだろ!!
(ゲーム内雑誌)

俺たちは夢を届けるアイドルだからな
(ゲーム内雑誌)

Jupiterはみんなに笑顔と夢を届けるアイドルなんだ…って再確認したぜ
(ゲーム内雑誌)

今日のステージはファンのための場所だ。そういう話をするヤツは帰ってくれ。
(エムステ)

俺は…ファンにあんな顔をさせたくてやってきたんじゃない…
(Episode of Jupiter)

ありがとな! でも泣いてちゃ俺のステージがよく見えないぜ!
(ゲーム内雑誌)


これだけでも、彼の中のアイドル像だとか、ファンへの想いなんかが見えてくると思う。
共通して根底にあるのが、“アイドルは夢を届けるもの”だという認識。そして、“ファンを笑顔にすること”こそ、アイドルの仕事だという強い意識。

冬馬は、ファンに甘い言葉を囁くような所謂王子様系ではない。それはどっちかというと北斗のほうが近いし。“ファンの恋人”として振る舞うことでファンに夢を見せるタイプではなくて、かと言って、ファンが求めているものを的確に掴み、落とし込んでくる計算的なタイプでもない。
ここでジャニオタ的な話をすると、前者は手越くんや中島健人くん、後者は健くんあたりが当てはまると思っている。(健くんはまだしも手越くん健人くんは茶の間から見た判断なので全然違ったら申し訳ない。)
なんでここでジャニオタを突然覗かせたかと言うと、最近まで私は“アイドルの天才”とは上記二つのような属性のひとたちを言うと思っていたのだ。その考えの元で、後者に当てはまる健くんの、ファンの恋人スタンスではないにも関わらず完璧につくりあげられているアイドル性というものを自分なりに考察していて。そんな中、彼らと冬馬のアイドル性の違いに行き当たった。
冬馬の担当Pになり、冬馬のアイドル像を探っていく中で、彼もまた上記二つとは別の意味で“アイドルの天才”なのだと実感したわけだ。

“アイドルの擬人化”という風に彼が表現されているのを見たことがあった。それが、ものすごく腑に落ちた。
冬馬は、求められた“アイドルの姿”をつくりあげて提供するアイドルではなく、自然体に真っ直ぐにありのままに動くことでそれがすなわち彼の“アイドルとしての姿”となるタイプだと私は思っている。…うまく言えないのがもどかしい。養殖じゃなくて天然もののアイドルというか。まさにアイドルの擬人化なのだ。

先ほどあげたセリフにおいて言うと、彼は「夢を届ける」のがアイドルだと表現している。「夢を見せる」のではなく、「夢を届ける」なんだな、とふと思った。いや、彼のセリフを全てしっかり確認したわけではないので「見せる」って普通に言ってるかもしれないけど、それはそれとして妄想するだけならタダということで。
なんだろう、「見せる」と「届ける」じゃ結構違うと思うのだ。見せられた夢は、いつか覚めてしまう。アイドルを見ているときこそ夢見てる瞬間で、ステージ上がドリームかつデイドリーム。夢が覚めるのが死ぬより怖い我々ファンは、永遠に夢見ていられるようにアイドルを追い続けるのだろう。
そんな「見せる」夢が映画館や劇場で観るストーリーなら、「届ける」夢はリボンでラッピングされたプレゼントボックスのようなイメージ。ストーリーは劇場から出て帰ってきたら徐々に記憶から消えていく。でもプレゼントなら、受け取ってから、開いて、中身を見て、それからずっと大切に手元に残しておける。
ステージを見ている間以外も、アイドルを見ていられない間も、他でもないアイドル自身が届けてくれた夢がファンのそばで寄り添っていてくれる。そしてそれはいずれ、ファン自身が持つべき“夢”に重なって、明日へ一歩踏み出す力になってくれるのかな、なんて。

実際に、上に挙げたセリフの二つ目と三つ目、「俺たちは夢を届けるアイドル」発言はそういう信念から来るものだと感じて止まない。“アイドルになりたいという夢”を持ちながらも自信が持てない少年と出会った冬馬が、

歌もダンスもレッスンすればするだけ上手くなる
泣いてる暇なんかねーぞ!

お前が諦めない限り 夢は必ず叶うぜ

そう言って勇気づける。その有様を見た仲間(イベントを共にしていた握野英雄さん)に「流石」だと言われ、返す言葉が、「俺たちは夢を届けるアイドルだから」なのだ。
なれやしないなんて夢のないことは絶対に言わない。かと言って、なあなあに済ませたり、根拠なく大丈夫なんて言いもしない。ただ、「レッスンあるのみ」「諦めないこと」そう言って、少年が夢を描き続ける後押しをする。きっと少年は、「もっと頑張らなくちゃ!」と気持ちを高揚させたに違いない。
それこそまさに、彼にとって「夢を届けること」なのではないだろうか。ファン(少年も実際にジュピターファンだった)の夢を後押しし、叱咤激励をする。直接的にでなくても、冬馬が全力でアイドルとして輝くことで、ファンにとっての夢も輝くのだろう。きっとそれは、少年のように“アイドルになりたい”という夢でなくとも。どんな夢でも。


本当にびっくりするくらい、私の中の理想のアイドル像みたいなものと、冬馬が体言しているアイドル像が合致した。なんていうか、“アイドル”という概念への解釈違いが起こらないみたいな。
アイドルという仕事に誇りを持っているアイドルが好きなのだ。そしてやっぱり、ファンへの想いを隠さないアイドルが好きだ。ぶっきらぼうだし素直じゃないところがあるけれど、ファンへの感謝や愛はあまりにも素直に伝える。飾らない真っ直ぐな言葉で。そういうところが、本当に好きだ。冬馬は絶対にファンを悲しませるようなことはしない。そう確信できてしまうくらい、アイドルとして完成しすぎている。
さっき、冬馬の好きなところを「顔」と言ったけれど、もちろんそれも事実なのだけど、1番好きなところと言えばやはり、ここまで長々と述べてしまったアイドルとしてのスタンス、ファンへの想い、それら全部ひっくるめた「プロ意識」なのだなあ、と実感した。


途中から、SideMにハマった経緯というよりただの考察大会になってしまった。

なんやかんやあって好きになった、SideMと、天ヶ瀬冬馬というアイドル。知れば知るほど魅力が増す、色んな表情が見えてくる冬馬は、あまりにも魅力的なアイドルなので。少しでも、少しでもその魅力が伝わったらいいなぁ。と思うものの、妄想100%なこの記事ではちょっと難しいかもしれない。もしこんな拙文でも興味を持ってくださった方がいらっしゃったら、ぜひアイドルマスターSideMおよびジュピターそして冬馬に触れてみてほしいな、と思う。

冬馬のアイドル性について、まだまだ考察し足りないどころか、まだ見てないストーリー、雑誌等々色々あるので、もう少しちゃんと煮詰めてからまたあげ直したいなと思う。冬馬のアイドル性についての文章はもう少し膨らみそうなので、担当になった話とはまた別に分けて記事にするかも。それまで、しばらくの間この拙文を置いておきます。
ここまで閲覧ありがとうございました。

*1:アイマス界隈では推しよりもこの言葉を使う。プレイヤーがアイドルをプロデュースするプロデューサーだという認識に基づいてのこと